2013年11月27日水曜日

お精霊とんぼ

紅葉の秋   山や森が赤く染まる   この季節を


古語では


とき(秋)と呼んだりする


 
赤い山肌   紅葉した木々の影が


ちらちらと   まぶしく映るとき


なぜかそこに   縄文人の影を


見てしまう





神武が   トンボにたとえて   


秋津島と呼んだ   この島は   


実りの多い秋のように


この島を   獲物のように   見据えていた


だからこの島を   トンボのように赤い


秋津島   と呼んだ


けれど   夕陽に輝く   赤く染まった葉の


きらめきを見るとき


急に悲しくなって   あるイメージがよぎる


この島を秋津島と呼んだのは


秋にこの島で   なにかがあった


ふとそんな予感が   してしまうのだ





そうそれは   侵略の時


深い緑に覆われた   縄文の森は


暖かい西日本では   一年中葉を落とさない


常緑樹の森で 


海岸沿い   川沿い   湖など


水場を除いては


固くてトゲのある葉を持つ木々の   森の中では


人がとても暮らせるような   環境ではなく


土地勘のない侵略者たちが


とても入って行けるような   道はなかった


この島の   古代の住人は


夏には強い日差しを遮る   柔らかくて大きい葉を広げ


冬が来るときには   葉を落として


森に暖かい日差しと   


動物たちの姿がみえる


少し寒い地方の   広葉樹の森に住んでいた



広葉樹の与える   春や夏に実る果実を食べ


枯葉が落ちて   裸になった木々の下に


赤い絨毯が   敷き詰められるころは


冬支度に忙しい   動物たちを追って


山々を渡り   狩りをしていた




脳裏に浮かんだ嫌なイメージは


侵略者たちから隠れて住んでいた   原住民たちが


森が葉を落とす  秋の季節に


炙り出されるのを待って


侵略者たちはこの季節に   


いっせいに   原住民たちを   襲っていた


一年の中で   この季節を待って


侵略をしていた


まるで動物を狩るように   原住民を


秋になると襲っていた


そんな嫌なイメージが浮かんで


侵略者たちがなぜ   ときを   秋と呼ばせたり


この島を   秋津島と呼んだり


秋にこだわるのか


その理由がなんとなく   見えたような気がした


冬春夏は   手を出さずに


秋になると   侵略が始まった


秋に彼らは   襲われた






おしょうろうトンボ



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